今朝、速達封筒が届く。
差出人は、例のタワーマンションの販売会社。
「申込書類一式」と書かれたラベル。
あぁ、いよいよ本格的に、動き出すんだなぁ……と、少し身が引き締まるような、でもどこかふわふわした気分になりました。
封を開けると、中にはスケジュールの冊子、重要事項説明書、申込書に、あれこれ注意書きもびっしり。
分厚いその一式が、まるでこれからの私たちの人生を決める“未来の設計図のように思えて、胸の奥が少しざわざわ。
この1年、ずっと「希望の間取り」が販売されるのを待っていました。
でもまだそのタイプは販売時期未定とのこと。
今回販売されたのは“本命”ではないけれど、見晴らしがよく、駅も近くて、老後の暮らしを考えたら十分すぎるほど魅力的。
ただ、やっぱり迷います。
もし次回、本当に欲しかった間取りが出てきて、それが今回のより安かったら?
正直、後悔しそうでたまりません。
その不安をぽろっと口にしたら、営業の方はきっぱりと言いました。
「値上げは確実です。今後、価格が下がることはありませんよ」
夫も、「安くなるなんて、あるわけない」とあっさり。
わかってる、わかってるんだけど……それでも、もし万が一、なんてことを考えてしまうのが私なんです。
そんなふうに頭の中がぐるぐるしているところに、申込書類が届いてしまったものだから、なおさら気持ちが落ち着かない。
最初はただただ「新しいマンションが欲しい!」とワクワクしていたのに、現実が近づくと「ここで本当にいいの?」「これで間違ってない?」と、迷いや不安がわき出てくる。
今のこの気持ちは、洋服や家具を買うときの“ちょっと高いけどどうしようかな”とは、まったく別次元のもの。
人生で一番大きな買い物。たぶん、私にとっては最後の引っ越し。
この決断ひとつで、これからの生活の景色がまるごと変わるんですものね。
テーブルの端に、まだ記入していない申込書類をそっと置いたまま、今はただそれを眺めています。
考えすぎるとまた不安になってしまうけれど、ちょっとずつ、心を整えていこうと思います。
コメント